かわにゅーす
冒頭解説に
この映画に出会ったのは10年以上も遡る。読売テレビの
CINEMAだいすき!という企画でタルコフスキー監督の
1周忌特集で放映されたのだ。その企画の冒頭でなされた
解説が次のようなもの。。
「惑星ソラリス」につづくタルコフスキー監督による
2本目のSF作品。
原作は現代ソ連を代表するSF作家ストルガツキー兄弟の
「路傍のピクニック」。
しかし、未来都市を舞台にしたこの原作をタルコフスキーは
完全に換骨奪胎してしまった。
おびただしい水、水蒸気、あるいは炎……
この監督特有の世界は原作によってゆるぎもしない。
作品の大部分を占める主人公たちの奇妙な行脚、
かれらを絶望にみちたチルチルミチルとうけとるか、
かれらの行程を一個の精神分析の過程と受けとるか、
無数といってよい解釈の余地があなたの前にある。
長くやるせない夢がいま扉を開こうとしている。
終了時の解説も記しておこう。
衝撃的なラストシーンを残して夢は幕を閉じた。
タルコフスキー自身も語っているとおり、
この作品は多分に寓話的な要素をはらんでいる。
無造作にほうりだされた多義的な映像言語に
困惑を隠しきれない人もおそらくいるだろう。
例えばあのラストシーンは希望なのか災厄なのか。
解説者として若干の手掛かりを申し述べておくと、
おそらくモノクロとカラーが交錯する陳腐ともいえる
あの修辞と「ゾーン」の黒犬に鍵が隠されている。
観客に思弁を要求する映画の余韻をお楽しみあれ。
01/03/19.19:04 かわさき <kawa@yumei.com>
▽ フォローする
かわにゅーすトップ
ゆめいろーどにもどろと