かわにゅーす
子猫
日曜日の昼、友達と二人連れでサンノゼの町中を車で流していると、
交差点の真ん中で動くものがいた。リス?前の2台は避けて走って
いったが、よく見てみると子猫のようだ。怪我をしている。「これは
イカン」と言って車を止めた。前後左右を見渡す。片側2車線の大きな
交差点だが、日曜日の町中は無機質に静かだ。信号はわれわれの側が
青で、車の陰はほとんどない。僕には助けられないけど、あのままで
見過ごすことはできない。パーキングライトを点滅させて車を降りると、
交差点中央に走った。子猫はやはり怪我をしていた。傷ついた体で
逃げようともがきながら、それでも威嚇してくる。素早く両手で
捕まえた。子猫は暴れなかった。ほとんど両手で収まるような小さな
体だが、生き物の感触は伝わってくる。交差点脇に運んで、そっと
おろして車に戻った。「僕にはどうすることもできないからなあ」。
犬猫はわからないし、出張中の身だ。面倒なことには巻き込まれたく
ないという気持ちもある。車に乗るときに子猫と目があった。子猫は
交差点脇のコンクリートの歩道に座り込んで自分を運んだ人物をただ
眺めていた。後ろに車が2台詰まっていて、後ろの車のおっちゃんも
子猫を見ていた。僕は後味の悪さを感じながら車を発進させた。
02/04/30.05:24 かわさき <kawa@yumei.com>
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02/04/30.05:24 子猫 ( by かわさき )
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