かわにゅーす
終わりなき平和
神経接続による遠隔歩兵戦闘体での戦いが日常化した近
未来。連合国は中米の紛争に対し、十人の精神が繋がり
あって操作するソルジャーボーイ小隊を投入し、絶大な
戦果をあげていた。一方このとき人類は、木星の軌道上
に想像を絶する規模の粒子加速器を建造、宇宙の始まり
を再現する実験に乗り出していた……。
ヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞したジョー・ホールドマンの
SF小説。(創元SF文庫)
うーん。なんかいろんなことを考えさせられた作品。
面白いから読んで損はなし。
ちょっとエロチック。
(・・と書けば読んでみようと思うだろうか?笑)
以
下
、
ね
た
ば
れ
ア
リ
・
・
・
舞台は50年後の世界だけど、この作品ならではの
独特の世界観がよいですねえ。
科学が本当に万能な存在になったとき、誰でも水爆を
作れるようになったとしたら、だれでも全てを壊す力を
もってしまったら、いったい文明はどーなっちゃうの?
というわけで、そこででてくる「解答」が「人間化」。
でも、「人間化」が本当にあの状況での唯一の解答
なんだろうか?みんなで全体の意識を共有して、いわば、
自分の精神を作りかえるというのは、あの作品を読む人
だれでもが抵抗を感じるんじゃないだろうか?
人間ってのは不完全だからこそ完全な存在と思うわけで、
それを完全なものにしてしまっては、それはもう人間では
なくて、まったく別の存在になると思うわけですよ。
いや、まあ、それはどーでもよくて、つまるところ、
「人間化」されたら、それはもう自分ではなくなるわけで、
いくらそれで完全な存在になれるのであろうと、今の自分が
嫌いであろうと、そういうのは御免こうむりたいのです。
……そして、物語はあれで終わってしまう。
解説にも書いてあったように、あの先いったいどういう
世界が現出されるのか、それこそが重要なところで、
作者は読者に想像してみろといわんばかりですね。
案外作者にもどうなっていくのかわからないのかもしれない。
でも、あれは、この先われわれの科学文明が進んだら実際に
行きつくかもしれない世界だよね。おそろしいことに。
そう考えて、文明の歩みが破局に向かっているとして、
それを知りつつ人間は歩みを止めることはできない。
それを止められるなどと考え始めるとどこかのばかな
集団と同じになってしまう。文明が破局に向かわない
ように、その歩みを望ましい方向にしていくことが大切で、
その試みにとって、今の時代が人類の正念場なのかも
しれないね。
えらそうなこと書きつつ、具体的にどうのこうのってのは
全然アイデアないけど。
にしても、近未来のSFものってのは、書き上げる世界は
破滅ばかりだねえ。ドラえもんとはいわんが、もうちょっと
明るい想像ってできないものかね
(それではドラマ性がないけど (笑)
00/02/14.09:52 かわさき <kawa@yumei.com>
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00/02/14.09:52 終わりなき平和 ( by かわさき )
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